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WEST SIDE COWBOY? [蘊蓄鉄]

アメリカンお電車好きが巣篭れば、かの地のFBグループにお邪魔して、画像や動画を閲覧することが増えてます。そんなときに見つけたこの写真。IMG_7095.jpg(1)路面軌道を行くDLの前に馬に乗ったやさ男~周辺もワイルドな雰囲気のここはどこ?

この画像見つけたのは鉄ヲタFBでなく、こういう↓サイトです。IMG_7146.jpg(2)ってことは写真は西部じゃなく東部の大都会NY。写真のタイトルは「WEST SIDE COEBOY~」です。
混雑する併用軌道を行くのはアメリカンモケー好きにはおなじみ、ラウンドハウスからモケー出ていたDL、実物が使われてるシーンを見たのは、Cedar初めてです。
IMG_7141.jpg(3)この場所はマンハッタンの西側、10番街と11番街の間。ハドソン川に近いここは今でも倉庫街ですが。昔は倉庫街を貫く道路に貨物線があって、併用軌道を桟橋や倉庫に出入りする貨物列車が、1846年から1941年まで走ってたのだそうです。マンハッタンは5番街を境にハドソン川寄りをWEST SIDEと呼ぶので、投稿のタイトルWEST SIDE COWBOYは西部のカウボーイではないんですね。ではNYになぜカウボーイが?

それは、この併用軌道の人やクルマとの接触事故防止のためでした。牛追いならぬ汽車追い(実際は先導)、倉庫街なのでトラックや荷役人も多く、接触事故・人身事故が絶えなかったらしいです。
IMG_7140.jpg(4)路面区間の補修も危険と隣り合わせ、右端の労働者は中国人でしょうか?アメリカの鉄道建設や保線現場の下級労働者には、中国人が多かったようです。昔NYで知合いになったコピーライターは、チャイナタウンのレストランの3男で「グランパは鉄道で働いていたことがあるらしい」と言ってましたね。

DL時代以前のシーンもどうぞ。Death-Avenue-2.jpg(5)1920年代でこの混雑ぶり、クルマの増加で事故が急増し、この併用軌道は「Death Avenue」と呼ばれ、列車の先頭に立つ機関車は「The Butcher」と呼ばれたというからすさまじい~
Death-Avenue-1910.jpg(6)こちらは1910年のまだのどかな(?)Death Avenue(爆)~クルマが登場してない頃ですが、WEST SIDE COWBOYはすでに登場してたんですね。鉄ヲタ的にはSLに興味深々なんでしょうが、電車やCedarには3本並んだ線路が気になります。

DLの別カットです。ロコは同じみたいですが、クルマのデザインからみて廃止直前でしょうか?
Death-Avenue-West-Side-Cowboy-e1488221570358.jpg(7)WEST SIDE COWBOYの奮闘むなしく、Death Avenueの路面軌道が廃止になるまでの犠牲は死者430人!

さすがに別線の高架線(High Line)が建設されましたが、それも今は廃止されて一部が高架の遊歩道になっていますね。
IMG_7142.JPG(8・9)highline.jpgTY線の桜木町界隈もこうなるとかならないとか~?どうなったんでしたかねえ。

とかとか、今日の蘊蓄鉄。「真夜中のカウボーイ」ならぬ「WEST SIDE COWBOY」のお話はこれまで。
あああ、NY行きたい~!

ではまた。





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コメント 15

にぶろく

NYマンハッタンの併用軌道、そそられます。
それにしても死者が430人とは!
時代なのか国民性なのか教育が悪いのか…(笑)
by にぶろく (2021-05-21 09:15) 

花見牛

京都に路面電車が走り始めた頃、やはり事故防止のために「先走り」という、小僧さんみたいな少年を同乗させていたと、何かで読んだ覚えがあります。
先走り少年は、人通りの多い箇所に電車がさしかかると、飛び降りて「あぶのおっせ~、のいとくりやっしゃ~」と叫びながら、電車の前を走って人払いをしたそうです。
京都といい、NYといい、そういう職種が必要だったということは、「電車なんて知るかい!ここは天下の往来やで!電車の方がよけて通らんかい!」という気性の市民が多かったんじゃないでしょうか。
by 花見牛 (2021-05-21 10:17) 

イワキ鯨川

なんかすごいね、としか言いようのない景色。
先頭の機関車の「The Butcher」てぇのがまたすごい。
430人、ミンチにしちまったということだね。
でもこの景色に魅せられてしまうのは何故だろう。
おそるべしNY。
by イワキ鯨川 (2021-05-21 11:53) 

Cedar

■にぶろく様
デスアヴェニューというネーミングも、経済のためには人命なんかって考え方も、当時のアメリカはこういうふうだったんですね。
■花見牛様
この写真見たとき、京都の先走り=電車告知人を思い出しました。
京都でも通行人が轢かれたのでしょうかね?
■イワキ鯨川様
おそるべし、だけど惹かれるNY、ってシーンだよね。初めてNY行った時の撮影機材屋がこのエリアにあったけど、荒んだ雰囲気の場所だったなあ。
by Cedar (2021-05-21 13:39) 

On2NGers

ご存知かと思いますが、↓ここで動画がみられるはずです。
https://www.livinthehighline.com/the-original-urban-cowboy/
by On2NGers (2021-05-21 18:47) 

Cedar

■On2NGers様
動画ご紹介ありがとうございます。High Lineとの位置関係もわかりますね、赤旗持ってるし、まさに先走りだったんですね。
by Cedar (2021-05-21 19:54) 

京葉帝都

戦前の大都市の蒸気と煙が上がりアーティスティックなビル群と人とレトロな乗物が行き交うシーンには惹かれるものがあります。ハドソン川に面した櫛のように飛び出した突堤に線路が引かれて貨物列車がひっきりなしに走っていた光景は模型の題材としても素晴らしいと思います。アメリカなら先頭車にカウキャッチャーが付いていて鐘を鳴らしながら注意を喚起するイメージがあったのですが、カーボーイに扮する青年が馬に乗って颯爽とやってくる姿は、ヤンキーの儀仗兵のような印象です。
by 京葉帝都 (2021-05-22 14:20) 

Cedar

■京葉帝都様
NYのハドソン川沿いの地域は、近年まで港湾地区共通の雰囲気でしたね。初めて行ったころも貨物線の廃線跡にゴミが散らばり、夜になるとトラックドライバー相手のFOOKERがあちこちに立っている、というような剣呑な場所でした。
列車が路面を走っていたころの雰囲気はどんなだったのか、想像もできません。
by Cedar (2021-05-22 17:16) 

シグ鉄

ウエストサイドと言えばストーリーの知識しかないわけでして、、、
プエルトリカンとスラブ系?でしたっけ。アメリカでは命が軽かった人々の居場所ですよね。430人の中にはWASPはいたのでしょうか。
by シグ鉄 (2021-05-22 21:53) 

Cedar

■シグ鉄様
この場所は「ストーリー」の舞台よりだいぶ南のエリアです。
SEX PISTOLSのシド・ビシャスが恋人に殺されたチェルシー・ホテルなんかの近くです~今はあの辺も妙にオサレな場所になっているし、「ストーリー」の舞台のあたりなんかは高級住宅街です。
あ、430人のなかにWASP・・・多分いないでしょうね。
by Cedar (2021-05-22 22:16) 

Junior

 
(6)の写真は気に入りました。
機関車はスティーム・ダミーですね。結構そそられます。
で、線路ですけど、手前2線が馬車軌道のモノじゃないでしょうか?
線路に沿って馬のウ〇チが落ちてますしねぇ。
その馬のウ〇チですが、道路上のは先導人の左側の専門職のオジサンが掃除してますね。
その専門職オジサンのバックの店舗を眺めてると楽しい! 塗料屋さんがあったり床屋さんがあったり、街灯はガス灯だし。
はい、しっかりとダウンロードさせて頂きました。

それより何より、この写真、恐ろしく鮮明ですねぇ。
 
by Junior (2021-05-23 09:36) 

Cedar

■Junior様
スティーム・ダミーって言うんですね。この写真は情報多くて楽しいですね、後ろの建物なんか今作ってるアレに大いに参考になります。ここはロワー・ウエストサイド、セクションはロワー・イーストサイドかブルックリンですけど。
by Cedar (2021-05-23 11:26) 

Junior

 
スティーム・ダミーてのは所謂スティーム・トラムなんですが、アメリカじゃ箱状の車体の蒸気機関車の事をそう呼んでます。
New York Centralは港湾地区とかの急曲線に対応するために箱状車体のShayを導入したのですが、写真(6)のは単なるタンク機関車のようですね。
これ(↓)と同類の。
http://www.northeast.railfan.net/images/nyc13.jpg
 
by Junior (2021-05-24 00:00) 

Cedar

■Junior様
写真ありがとうございます。またひとつ勉強しました。
by Cedar (2021-05-24 08:22) 

Cedar

★nice!いただいた皆様
不人気な外国記事にもありがとうございます
by Cedar (2021-05-25 22:42) 

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