神戸の街・鉄シーンがいっぱいの映画(その2) [映画・音楽]
前回に続き、オール神戸ロケという映画「麻薬3号」の鉄・街シーンの紹介です。
(1)謎のタイトルは五味康佑の原作本からだったんですね。小説のストーリーは知りませんが、映画は日活らしく無茶苦茶でゴーインな展開。
堅気の南田がはるばる東京から神戸のチンピラ長門を訪ねてきたのは、元カレ(なんて言い方は当時は無かった)探しの手がかりを持ってると、「どこかで聞いたから」という~
(2)一方の長門は「神戸って街は悪い方に転がったらアンタ独りでは居られない街なんだ」とか言って、南田と2人で神戸を歩き回ることに~曖昧なきっかけで出会った男女の運命が、勝手にどんどん転がって思いがけぬ結果に~日活お得意のパターンです。
(3)では、神戸の街と鉄シーン画像をストーリーに沿って~ちょい長いですよ。
(1)謎のタイトルは五味康佑の原作本からだったんですね。小説のストーリーは知りませんが、映画は日活らしく無茶苦茶でゴーインな展開。
堅気の南田がはるばる東京から神戸のチンピラ長門を訪ねてきたのは、元カレ(なんて言い方は当時は無かった)探しの手がかりを持ってると、「どこかで聞いたから」という~
(2)一方の長門は「神戸って街は悪い方に転がったらアンタ独りでは居られない街なんだ」とか言って、南田と2人で神戸を歩き回ることに~曖昧なきっかけで出会った男女の運命が、勝手にどんどん転がって思いがけぬ結果に~日活お得意のパターンです。
(3)では、神戸の街と鉄シーン画像をストーリーに沿って~ちょい長いですよ。
まずは国鉄高架線沿いの古いビル、よく見たら阪急三宮駅じゃありませんか!花隈方面へ線路が無いから、このアングルで国鉄の列車が見えるんですね。
長門のチンピラは南田が気になって「俺も堅気になるから金が要る」と、仕事(といってもヤバいもの)を探しに映画館の支配人やってる兄貴分に相談するくだりの舞台です。
阪急三宮駅ビルの映画館の話は神戸の友人に聞いたことがあります。(5)邦画館も「戦場にかける橋」を上映してる洋画館も阪急電車の効果音(爆)が盛大に響き渡ったことでしょうねぇ。
長門のチンピラは南田が気になって「俺も堅気になるから金が要る」と、仕事(といってもヤバいもの)を探しに映画館の支配人やってる兄貴分に相談するくだりの舞台です。
阪急三宮駅ビルの映画館の話は神戸の友人に聞いたことがあります。(5)邦画館も「戦場にかける橋」を上映してる洋画館も阪急電車の効果音(爆)が盛大に響き渡ったことでしょうねぇ。
そして長門が兄貴分と会うのが、この店「ジャヴァ」ですが(6)
ぬぁんと、今も同じ場所で営業中!
(7=Cedar撮)昔っぽい店構えが好きで何度か入ったことあります。(8)そして映画では、偶然(ご都合主義ともいう)店に入ってきた南田と長門の「悪い方に転がった」神戸巡りが始まります。
ぬぁんと、今も同じ場所で営業中!
(7=Cedar撮)昔っぽい店構えが好きで何度か入ったことあります。(8)そして映画では、偶然(ご都合主義ともいう)店に入ってきた南田と長門の「悪い方に転がった」神戸巡りが始まります。
長門が南田を連れて元カレを探しに行ったのはココ=なんと麻薬窟!(9)いかにもな建物ですが、ここはどこなんだろう?まだあるのかしら?(あ、建物のことです)(10)ヤクを求めて集まる男女のなかに南田の元カレはいたのか?実はいたんでした!しかも殺人犯だったという~
元カレ殺人犯→自首にショックを受けた南田を、長門が連れていったのはなぜか奥摩耶ロープウェイ。
(13・14)そしてここで急接近した堅気女&チンピラ男は、その名も神戸ホテル?で半同棲ってことになっちゃう(15)街だけでなく人さえも悪い方に転がっていく神戸・・おいおい。(16)山手幹線栄光教会におわすイエス様、こんなことでエエんですかね、アーメン(爆)
(13・14)そしてここで急接近した堅気女&チンピラ男は、その名も神戸ホテル?で半同棲ってことになっちゃう(15)街だけでなく人さえも悪い方に転がっていく神戸・・おいおい。(16)山手幹線栄光教会におわすイエス様、こんなことでエエんですかね、アーメン(爆)
次は鉄には有名な、鐘を付けた臨港線のハチロクが登場(17・18)兄貴分が持ってきたヤバい仕事は臨港線が走る埠頭でのヤク取引っていう、日活や新東宝映画ではあまりにもルーティーン!
そして取引場所にやってくるアメ車から、白木マリ姐さん満を持して(爆)登場です。
(19・20)神戸港界隈は、昨年の今頃徘徊しましたが映画の頃の面影は残っていませんでした。→ブログ記事はこちら。
そして取引場所にやってくるアメ車から、白木マリ姐さん満を持して(爆)登場です。
(19・20)神戸港界隈は、昨年の今頃徘徊しましたが映画の頃の面影は残っていませんでした。→ブログ記事はこちら。
ここからはこのアメ車が狂言回しとなって、舞台は神戸→大阪→神戸→須磨浦海岸と移動します。
神戸から~
(21=ここどこ?阪神間?→灘駅東側の高橋と判明しました、ありがとうございます。)
→大阪へ~
(22=言わずと知れた梅田阪急百貨店)
→阪神国道経由で
(23=阪国の軌道と架線が見える武庫大橋)
→ふたたび神戸
(24=三宮駅海側、今の国際会館のところでしょうか?)
→須磨浦海岸
(25=国鉄はまだ複線)
このように移動しますが、なぜそうなのかは省き、ひたすらスクショをご覧いただきました。
簡単に言うと、大阪でのスッタモンダの果てに、長門がヤクの運び屋になって向かった取引場所が須磨浦だった、という・・・
(26)ここでもランドマークはしっかり写しこんでますね。
悲しいことに、チンピラのアタマしかない長門は南田を待たせ過ぎてしまったことに気がつかない・・・こういう男女のすれ違いも日活アクションの定番ですね。
南田は長門の仕事仲間(大阪志郎)を件の事務所に訪ね、高架線の見える屋上で長門の消息を聞いたりします。
(27・28)おお、ここでやっとお電車が登場~モハ51一党の4連緩行でしょうか。
神戸から~
(21=ここどこ?阪神間?→灘駅東側の高橋と判明しました、ありがとうございます。)
→大阪へ~
(22=言わずと知れた梅田阪急百貨店)
→阪神国道経由で
(23=阪国の軌道と架線が見える武庫大橋)
→ふたたび神戸
(24=三宮駅海側、今の国際会館のところでしょうか?)
→須磨浦海岸
(25=国鉄はまだ複線)
このように移動しますが、なぜそうなのかは省き、ひたすらスクショをご覧いただきました。
簡単に言うと、大阪でのスッタモンダの果てに、長門がヤクの運び屋になって向かった取引場所が須磨浦だった、という・・・
(26)ここでもランドマークはしっかり写しこんでますね。
悲しいことに、チンピラのアタマしかない長門は南田を待たせ過ぎてしまったことに気がつかない・・・こういう男女のすれ違いも日活アクションの定番ですね。
南田は長門の仕事仲間(大阪志郎)を件の事務所に訪ね、高架線の見える屋上で長門の消息を聞いたりします。
(27・28)おお、ここでやっとお電車が登場~モハ51一党の4連緩行でしょうか。
以上長々と「悪い方に転がる神戸」を見ていただきました。ストーリーにかなり無理はあるものの、戦後の面影の残る神戸の街シーン満載の「麻薬3号」。ビッグスター主演でないぶん街シーンが際立ってます~同じ神戸ロケでもチャンユー主演の「赤い波止場」はスターに目が行っちゃう撮り方してますから~
似非神戸市民&映画大好きCedarには、マジお宝作品でしたね。
(32)尼プラでなく、ここで観たかった。
(32)尼プラでなく、ここで観たかった。
ではまた。
2024-08-14 06:00
nice!(8)
コメント(15)
街を走る車が少ないのと、映画だからかも知れませんが国産車も少ない。
あの頃を思い出しますと「国鉄」を「省線」と言ったり「環状線」は未だ繋がってなくて「城東線」とか呼んでました。
香櫨園浜とか未だ泳げてましたね。
その後水質悪化で遊泳禁止になり、代わって学校にプールが当たり前になって・・・。
あぁ、久々に湯船に水張って水風呂に浸かりたくなってきた、この暑さ。
by 思い出せない・・・ (2024-08-14 08:13)
■思い出せない・・・様
この手の映画では、やくざ・ギャングのクルマは下品なアメ車と決まってました。
1958年なら香櫨園濱で泳げたのは、横浜本牧で泳げたのと同じですね。今のセーヌ川よりはずっとキレイだたでしょうね。
by Cedar (2024-08-14 11:25)
Cederさんは興味ないでしょうが、阿佐田哲也の麻雀モノを愛読しておりました。その中で五味康佑、南田洋子が良く出てきます。五味は名人、南田は可愛い顔して強いって感じです。原作者に南田は可愛いがられていたのでしょうね。
麻薬窟、怪しいですねえ。表はロマネスク風?なのに後ろは小学校の様なRC。
ラブホなどない時代になんの建物だったのでしょうか。
by シグ鉄 (2024-08-14 12:35)
■シグ鉄様
阿佐田哲也は色川武大名義の方はかなり読んでます。その中にも長門家の麻雀部屋の話とかが出てきますね、なるほど五味⇔南田・長門にも接点あったとは面白いなあ。
麻薬窟の描写は黒澤の「天国と地獄」の黄金町ほどではないですが、売人の中国人が日活アクションには欠かせない高品格なのがウレシイ、あと5年あとなら藤村有弘がやったかも?
by Cedar (2024-08-14 12:42)
とても付いて行かれない内容ですが、古い映画に出てくる地の現代との比較考察は好きですね。神戸がテーマだとただただコウベ(首)を垂れるしかありません。
by OER3001 (2024-08-14 20:58)
似非神戸市民とか名のりながらCedarさんもなかなか昔の神戸の街ご存知ですね。お節介ながら元神戸市民として知っている範囲で助言申し上げます。
(13)のロープウェイは須磨浦公園ではなくて奥摩耶です。元々市営だったので、バスと同じ白に濃緑のX字の塗色でした。
(21)はおそらく今も灘駅の東側に残る高橋(たかばし)です。わかりにくいですが汽車と手前の道路の間に、東灘(貨物駅=現摩耶駅)から分岐した臨港線があって、件のハチロクはここを通って神戸港へ行っていました。汽車の向こう、山裾の白い建物はCedarさんも好きな白い制服の尾根遺産方が通うあの学校です。
by 鹿部電鉄 (2024-08-14 22:43)
■OER3001様
泥沼のようなヲタク記事にわざわざコメントありがとうございます。このころの日活映画ファンでして、日活映画⇔フランスヌーヴェルヴァーグ映画⇔香港フィルムノワールの関係性は個人的に研究してるくらいです。共通点は、金と時間掛けない+権威への反抗心+即興的脚本=ロケが多くて街が楽しめる、ってことですね。
by Cedar (2024-08-15 07:59)
■鹿部電鉄様
さすが元神戸市民!ご助言感謝です(13)はなんとなく前後関係から須磨浦公園と思いこんでました。
(21)は正しい阪神間だったのですね。あの制服を阪急電車車内で見るとああ神戸だなぁと思います。
以上2つの記述はさっそく修正させていただきました。
甘えついでに(27・28)はどの辺りかお分かりでしょうか?さすがに建物は建て替わってると思いますが・・・
by Cedar (2024-08-15 08:02)
(27)は前回投稿の(17)と同じ建物の屋上で、その背後に2径間のプレートガーターが見えます。おそらく現在の花隈公園南東角ではないかと推測します。今でも付近にこの規模のガードはないので間違いないと思います。ストリートビューで確認できますが、リベットだらけのガーターと橋脚は昭和初期の高架化から架け替えられておらず、つまりあの震災にも耐えたようです。
そう思って(28)を見ると鉄塔は通信用ではなく、たしか住宅会社のネオンサインだったと記憶しています。鉄塔と男の顔の向こうに川崎造船のガントリークレーン(1962年解体)が映ってないか目を凝らしましたがわかりませんでした。
by 鹿部電鉄 (2024-08-15 10:41)
■鹿部電鉄様
さすがお分かりだったのですね。(28)の画面右手が高台になっているのでそこが今の花隈公園になるんですかね。
カメラのレンズのせいで高架線がインカーブして見えたので特定出来ませんでした。ありがとうございました。
by Cedar (2024-08-15 15:15)
何回もご覧になっているとは思いますが。
8月22日〜 BS松竹東急で列車シリーズ「喜劇 急行列車・団体列車・初詣列車」三部作を放送する様です^^
https://www.shochiku-tokyu.co.jp/notice/23599/
by gop (2024-08-16 21:18)
■gop様
情報ありがとうございます。ちょうど似非神戸市民してるタイミングですな、関西でもBS松竹東急見られるんでしたっけ?
by Cedar (2024-08-16 22:20)
★nice!いただいた皆様
ありがとうございます
by Cedar (2024-08-18 01:12)
はい、BSが入れば全国何処でも見れます。無料です。
男はつらいよ以前、渥美さん喜劇シリーズも楽しめますね。
by gop (2024-08-18 14:00)
■gop様
ありがとうございます。「寅」以前の渥美ファンとしてはウレシイ情報。
喜劇「女は度胸」の兄貴役とかサイコ~でした。https://cedarben.blog.ss-blog.jp/2014-12-23
by Cedar (2024-08-18 15:53)