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またもや日活映画の鉄シーン [映画・音楽]

先々回の「麻薬3号」をきっかけにして、尼プラの日活映画に嵌っています。オレハマッテルゼ001.jpg(1)類似カテゴリーの映画が表示されて、ついつい観続けてしまう・・・

で、今回はいきなりこのシーンから、オレハマッテルゼ06.jpgオレハマッテルゼ07.jpg(2・3)主人公の営むレストランの前を通過するC56の貨物列車、舞台は横浜、と書けば「ああ、あそこ」とお分かりになる方もSL好きは多いんでしょうね。そして映画好きならこの題名も知ってるかも~?
1957年製作のこの映画は、主演チャンユー唄う同名歌謡曲から作られたもの、つまり曲が先だったという「便乗企画モノ」なんですね~オレハマッテルゼ02.jpg(4)脚本はあの石原慎太郎(品の無い政治家になるずっと前は小説家だったんです)、製作の水の江滝子は我々の世代にはNHKのTV番組「ジェスチャー」の女性組キャプテンとして記憶されてますね。


霧の港町、過去のある男と訳あり女、ギャング、拳銃、拳闘(ボクシングのことです)、JAZZ喫茶やキャバレー、といった日活アクション映画お馴染みのシーンが並ぶ作品です。
オレハマッテルゼ01.jpg(5)

日活映画は「カサブランカ」「望郷」などの外国映画を換骨奪胎したストーリー(ロマンチックなミステリー)に主人公とやくざの喧嘩(アクションシーンですね)がまぶされて、のちに「日活ロマンチック・アクション」と呼ばれる一連の作品が代表作。スター性のあるチャンユーの登場もあって、時代劇や家庭劇、文芸大作といった映画に馴染めないでいた若い観客層に人気だったようです。オレハマッテルゼ10.jpg(6)今観ると主人公のしゃべる「~したまえ」とかいう大学生風のセリフ回しや、敵役のやくざの言葉使いが東宝や松竹映画には出てこない「日活チンピラ語」なのが面白い。当時、ウチの近所のブルーカラーのあんちゃんたち(中華やの出前持ちとか酒屋の兄ちゃんとか)が、そういう言葉でしゃべっていたのをガキ時分のCedarは記憶していて、大人になって映画観てて「ああ、これだったか」と思ったものでした。


あ、鉄シーンの紹介を忘れてました。冒頭のレストランの場所は繰り返し出てきます。オレハマッテルゼ13=.jpgオレハマッテルゼ22.jpg(7・8)貨物線のポニートラスとバックの建物(横浜税関)から、新港橋のあたりですね。ちなみに下は現在の様子
新港橋.jfif(参考画像)
C56のデイシーンもありますよ。オレハマッテルゼ11.jpg(9)C56146のナンバーや日立のメーカーズプレートがはっきり写ってます。SL音痴のCedarはこの機関車は高原とか雪深いローカル線を走ってるモノ、とばかり思っていましたが。こんな場所にもいたんですね。今そごうのあるあたりにあった横浜機関区所属だったようです。


監督は本作が監督デビューの蔵原惟義で、若手らしいカメラアングルに見るべきものがあります~オレハマッテルゼ25.jpg(10)
鉄シーンの中にも・・・スクショだと判り難いですが、SL貨物が窓外を行く・・・オレハマッテルゼ20.jpgオレハマッテルゼ21.jpg(11=上の2ショットはワンカットです)コレ、けっこうこだわって撮ってるんじゃないかなぁ?
オレハマッテルゼ08.jpg(12)そもそも「線路際のレストラン」にこだわって、ここにセット1棟組んだんですね、きっと。


SL以外には横浜市電も登場します、横浜を代表するボギー車の1000形、オレハマッテルゼ14.jpg(13)ここは尾上町の交差点かな?このすぐ近くにはトビー模型店がありましたね。IMG_9787.JPG(14)市電保存館に残る横浜市電1000形は各地に見られた日車形路面電車で、Cedarがガキ時分横浜の親戚に行くときにお世話になった形式です。
オレハマッテルゼ15.jpg(15)この3角形に切り取られた舗道は馬車道の交差点にみえますね。ここにはアメリカンダイナーそのものの珈琲屋があってホットドッグが美味くてCedarが入り浸って、っていうのは映画から20年後の話です(脱線しました、スミマセン)。

写ってるお電車は窓配置から見て鋼製単車500のようです。横浜s37?001R.jpg(16=昭和36年撮・麦田)横浜はかなり後年まで単車が活躍していて親戚の家近くにあった麦田車庫は単車の宝庫でしたね。


この映画の鉄シーンは以上なんですが、横浜の街並みがあんまり出てこないのがCedar的には期待外れでしたね。街並みが出てくるのは市電登場前後のこのシーンくらい~。オレハマッテルゼ16.jpg
(17)主役級の街頭ロケは人止めとか大変で滅多にやらなかったらしいですね。

キャバレーの屋内シーンは撮影所のセットだし。オレハマッテルゼ24.jpg(18)やくざが仕切るキャバレーってのは日活映画ではデフォなシーンですから、ひとつのセットを看板や大道具変えて使いまわしてたらしいです。

でも、桜木町駅横にあったマーケットでのロケは当時の横浜な雰囲気出てます。オレハマッテルゼ26.jpg(19・20)オレハマッテルゼ27.jpg見難いですが高架ホーム下を行く市電がチラっと写ってます。
形式はたぶんこれ↓かな?横浜市電1964-01.jpg(21)モダン2軸単車の600形(昭和40年撮・青木橋)


とかとか・・・神戸の次は横浜の日活映画でした。
オレハマッテルゼから^.jfif(22)


最近は暑い昼は家でモケー、夕方になって街徘徊、夜はサブスクで映画(時々モケー夜鍋)・・・、なんだか不健康な瘋癲老人の夏、完全に運動不足ですな。


ではまた。


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思い出せない・・・

  今見ても石原裕次郎さん、脚長~い!

 自分はオールドタイプジャパニーズなんで、昔の直角背もたれのボックスシートにぴったりはまってました。

 まぁ、一等とかグリーンだと長い脚も気にならなかったんでしょうねぇ。
by 思い出せない・・・ (2024-08-28 07:31) 

Cedar

■思い出せない・・・様
この映画ではそうでもないですが、別の作品では足元から見上げるようなショットばかりでした。脚の長さ強調ですね。
by Cedar (2024-08-28 14:07) 

OER3001

NHKのTV番組「ジェスチャー」は良く観てましたよ。水の江滝子と言うよりターキーだったかな?
それにしても横浜市電とかC56とか、凄いな~!
by OER3001 (2024-08-28 19:24) 

Cedar

■OER3001様
ジェスチャーのターキーさんとしてしか私も知りませんでした、日活では裕次郎映画の辣腕プロデューサー、さらにその前はSKD(だったかな?)で男装の麗人、なかなかスゴイ女性ですね。
この時代の映画の鉄シーンはいろいろ見ごたえありますね。例えばコレhttps://cedarben.blog.ss-blog.jp/2013-10-31
by Cedar (2024-08-28 20:58) 

シグ鉄

高島線、まだ残っているんですよね。根岸から新鶴見に抜けますから。
横浜機関庫は記憶にありません。そごうはその跡地とは知りませんでした。成程なぁって感じです。
by シグ鉄 (2024-08-29 18:33) 

Cedar

■シグ鉄様
唄とかの方でなく、鉄なコメントでびっくりです。
JR音痴なんで違ってたらすみませんが、高島線はみなとみらいの端を地下線で抜けてるみたいです。
横浜機関区は横浜駅前を行く市電の中から扇形庫を見た記憶があります。
by Cedar (2024-08-29 23:08) 

Cedar

★nice!いただいた皆様
ありがとうございます
by Cedar (2024-09-01 16:35) 

狂電関人

Cedarさん

映画の中の鉄道シリーズ好きですよ!
でも、なんだか最近の鉄道と人間のかかわり方が変わったというか
なんか違和感を感じてる今日この頃です。。。

by 狂電関人 (2024-09-03 14:14) 

Cedar

■狂電関人様
あろがとうございます。それは同感です。駅は高架化地下化にホームドア、地上走っても柵やらなにやら、隔離されてますね今の鉄道は・・
by Cedar (2024-09-04 03:14) 

ナツパパ

ふと、生島治郎さんという小説家の作品を思い出しました。
横浜を舞台にしたハードボイルドが、この映画に通じる感じがしましたねえ。
市電残しておけば、今でも十分役に立ったのになあ。
by ナツパパ (2024-09-05 09:28) 

Cedar

■ナツパパ様
横浜が舞台なのは「傷痕の街」でしたっけ?こちらは読んでないのですが直木賞受賞作「追いつめる」は読みました、神戸を舞台にしたこちらは映画化もされていますね。
by Cedar (2024-09-05 19:08) 

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