SSブログ

「風切りお電車」のお話 [モケーもろもろ]

今日はまたまたメリケンお電車、それもお古いところのお話を。
まずはなんとも不細工な電車?の画像から。355B9D10-EED3-41FF-900C-6E7109660973.jpeg
時は19世紀末~20世紀初頭のインタアーバン全盛期。全米に架線が張り巡らされ、様々なお電車が日夜走り回っていたころ、従来の車体のカタチでは走行時の空気抵抗が大きく、これ以上スピードアップでけへんやん!と思いついた御仁がいて、Wind Resistance Testが始まったんでした、で、これが試験車両~フラットカーに電車の台車をはかせて、積み荷は木造ボディ、前後には取り外しできるParaboric(放物曲面?ですかね)なカタチのお面が取り付けられています。
お面をとっかえひっかえのテストの結果、こんなのが良かろうと絵図面がぁ~チンケな試験車からはかけ離れた誇大妄想なデザイン、なんと3軸ボギー!401694A4-8002-4491-BED9-5FCEC2B80A60.jpegパラボリック・ウェッジシェイプ(?)で風を左右に搔き分け高速で突っ走る異形のお電車=これぞWindspritterの誕生だあ!
・・・・水を掻き分け進む船の真似しただけ、としかCedarには思えないけど(爆)。

数は少ないものの、1910年代に全盛期だっだ東部~中部のインタアーバンラインに営業車もデビューしたのでした。さすがに3軸ボギーは不採用!
IMG_3583.jpg
突き出たカウキャッチャーに正面窓は曲面ガラス、なんだか出っ歯の一つ目小僧みたい、こりゃ面妖でオモロイ~(誉めてるんです・・)

平面図で見るとこんなカタチ、試験結果の提案よりはシャープさに欠け、後部なんかはいたって普通ですね。90F54E28-D96A-4402-AEC0-83BBE757990A.jpeg
インタアーバンの主要メーカーだったJewett Car Co.から、一族8両が2つの鉄道に登場しました。
IMG_3586a.jpgIMG_3585a.jpgどちらもMt.Cedar Electricのイメージの元になってるIndianaの電鉄ですね。
下のはOhioのSTARK ELECTRICという電鉄のもの。IMG_3590.jpg一見屋根以外同じに見えるこの電車はスゲーですよ~紹介ブログ記事はこちらに→

ちなみにすべて木造車です。~と思ったら1917年製のスチールカー↓もありました。IMG_E3649 (1).jpg違うメーカーの製品だったせいで、WindsplitterならぬArrow Carと呼ばれたとか~たしかNY州の電車でした~
ところでこの風切りお電車、実際にWindをSplitするほどの高速で走ったんですかね?

当時の東部~中部のインタアーバンは、ごく一部を除いてこんな田舎道の脇を走ってたし~(でもそこそこのスピードは出したらしい)、35BEBDDF-B791-4BAD-A033-8C7BF4B5F855.jpeg

ED7E5194-466D-4BB3-ACD1-B6E8139F4D4F.jpeg市内では路面軌道ですから、カッコイイWindspritterの「風切り効果」が発揮されたかどうかは大いなる????だったと思います。

(試験結果レポートには3/4の出力で同じ性能出せるとか、結果電力が節約できるとか、セコイ記述も見られます=こっちが本音か?)


で、ここからはモケーの話です。
異形・ゲテモノ大好きMt.Cedar Electricとしては自作してでもラインナップに加えたいWindspritter~15643815-49FF-4E3F-B38F-28B5DD953A40.jpegそのためにアーチ窓のプラモジュールもキープしてたんですが、製品があることがわかりました!85F9D9E8-BF7E-42D5-950F-FE15499553C5.jpeg流行りの3D出力のキットです。さっそく購入して、メリケンからの到着を待っています。
半年ほど前に、架線集電お仲間のKさんから「Winspritterキットあるよ」の情報いただき、さっそくお宅に押しかけ見せていただきました。
C72CFCB1-5C3D-40AB-AF3A-D81A09DD2BDD.jpeg

この写真じゃよくわからないので、以下画像は製品サイトから~キットは基本車体のみです。
こんなマイナー車種が製品化されるのは、Cedarみたいな変態電車好き+Cedarには死ぬまでできないCADデータが作れるデザイナー&モデラーがいてくれればこそです。DA1B3FFA-5E15-499E-859B-319BFC82305A.png

最初デザイナーのサイトにアクセスしたら「1000円ちょいと払ってデータDLして、自分で出力屋にオーダーしていいよ」とのことでしたが、この方面に全く疎いアナログ爺としてはそりゃ無理無理ムリ!E335349F-577F-485B-A8B5-945E3215BB8B.jpegこんな風に出力上がってくるとのことですが、元データが出力屋のプリンターで出せるのか、材料の選択とかとか・・いろいろトライ&エラーがある(らしい)と、お金もかかっちゃうし・・
エーゴの堪能な架線集人K様に泣きついて、キット発売元(サイトには海外発送の記載なし)に繋いでいただきました。
73475447-92D7-4B36-805D-27907886DE2D.jpegAll Nation Hobbysって昔からあったような気がしますが、同名異社なのかな?

Windsplitter-1910s-Interurban-Trolley-Car-Kit-Good-for-Beginner-3D-Printed-PN9K-2-scaled.jpg
やはりOゲージはデカいので一体出力じゃないんですね~その方が修正がし易いかも?

なんてやってたら、4月12日に現物が到来しました。853ACD8F-7084-45CC-81AD-1871E2248B3F.jpeg073D5B12-CB26-4F72-94B7-489FC306F333.jpeg

早速開封してチェック!なかなか繊細な出力です~E3E52E5D-79BE-482B-B9A2-A5DA10CF8801.jpegF8F3CCE3-ABFC-4DCE-BE9A-3188E0D891D8.jpeg繊細過ぎて薄い側板には、裏打ちとか必要かもしれません。
屋根も一体出力でないのは知ってましたが、上屋根と下屋根の色が違うのはナゼかいな?61E4AE78-7891-45CE-88E9-F0EC75D6705E.jpeg


完成すればこんな姿に~うん、なかなかカッコええです!
IMG_3809 cropped.jpg
実物はともかく、完成したらスケールスピード200㎞オーバーを目指したいと思います~

でも仕掛品大渋滞のMt.Cedar電車ですから、瘋癲老人工場長が生きてるうちに完成するんでしょうか?


「風切り電車、風と共に去りぬ」Windspritter has Gone with the Wind~なんてね・・


ではまた。

nice!(9)  コメント(12)