瘋癲老人について。

2回目は改題タイトルの由来について、書いておきます。
何故か拙ブログ読者には、管理人とは段違いなインテリ様が多いので、「言わずもがな」かも知れませんがぁ。

オリジンとなった「瘋癲老人日記」は、かの文豪谷崎潤一郎最晩年の作品で、77歳の金持ち老人督助（とくすけ）が、息子の嫁颯子（さつこ）の脚（！）に興味を惹かれて、あれこれと怪しからぬ振る舞いや妄想を巡らした挙句に・・・〜と言う、「どこが純文学やねん！」ていうお話。同じく怪しからぬ老人が主人公の「鍵」と並んで、不埒極まる内容を古典芸能や美術などを添景に華麗な文体（ほぼ全編カタカナですぜ）で綴った不埒極まる作品です。

「鍵」とともに映画化もされていますが、以前拙ブログで取り上げた市川崑監督の「鍵」（※）に比べると映画の出来は??と思います（若尾文子さんはなかなかエエですが～）。※https://cedarben.blog.ss-blog.jp/2015-10-17
督助役は、TVドラマで理想のパパを演じてた山村聰さん、なんとしたことだ〜。

瘋癲はふうてんと読み、居場所が定まらずあちこちふらふらする人のこと〜フーテンの寅さんてのもいましたね。

督助より7歳下、齢70にして2拠点生活始めちゃった誰かさんは、東京と神戸を行ったり来たり、どちらの街でもあちこち目的も無くふらふら歩き回る自分は、「まさに令和の瘋癲老人じゃん！」と思ったんですわ←こういうのは谷崎センセーに叱られる文体ですね。

もうひとつのキーワードは「フェチ」かな〜
小説の主人公は息子の嫁の脚（足の裏か）フェチ～
ブログ管理人Cedarもお電車の台車、それも古いメリケン台車フェチ、

さらには鬼線路や架線柱フェチ〜
つまり2老人とも、オナゴやお電車が大好きだけど「お顔やボディ以外の部分」に嵌ってるのです。


さらにさらに、谷崎センセーもCedarと同じくお江戸生まれなのに、関東大震災を機に神戸東灘エリアに転居したというんですから、いわば神戸移住の先達（wow!）でもあるわけです。

Cedarの部屋の近くには、谷崎が最初に転居して住んだ家の跡があるし、散歩がてら歩いていける住吉川沿いには「谷崎潤一郎旧宅 ・倚松庵」として保存、公開されてる家もあります。
このエリアには戦前からの日本家屋も見られて、代表作「細雪」に描かれた阪神間の雰囲気が残る住宅地が、阪急神戸線沿いに広がっています。
今みたいに荒れ果てる前の市川・菅野あたりと似た雰囲気を感じた、なんて言ったら叱られちゃう？
松のある古い住宅地をギリギリ駆け抜けていく阪急神戸線が京成に見えた～こりゃ百叩き→東灘区から追放間違いない・・

なにはともあれ、２拠点暮らしに向けてひと月ほど物件探しの結果、「住むならこの辺がええ！」と思った令和瘋癲老人がCedarってえわけです。

あ、Cedarにはこういう趣味↑はございません。（爆）

ではまた。

コメント 14

　　「がんばろう神戸」から２６年。
　
　で今回は御堂筋パレード。

　偏屈親爺が愚痴ってますが、前回は復活に狂喜乱舞でお祝いやら感謝の気持ちを伝えるのをすっかり忘れていました。

　最近はブログの閉鎖等でＰＣの前に座る時間が短縮されたことは、健康面で良かったのかも知れませんが寂しい思いをしておりました。

　コロナの落ち着いている間に実家の墓（満池谷）に行かねば。
by ブレイブスファン (2022-11-04 08:38) 

谷崎潤一郎氏の小説は、純文学も多いですが「キワモノ」寸前のものも結構ありますね。
氏の小説には鉄道のシーンも多く、内容はあまり覚えていないのにそんなシーンばかりよく覚えています。
「蘆刈」では「舊京阪」という言葉が出てきますし、細雪だったか蘆刈だったか定かではありませんが「燕やないねん鴎やねん」という特急の名前を言うシーンがありました。
細雪でも鉄道シーンがわんさか…。中でも阪急神戸線の車内で隣の御夫人の白粉でくしゃみが止まらなくなったというシーンがあったような…。最後は東京へ行く直前になって「下痢はとうとうその日も止まらず…」。
不思議な文豪です。
by のり (2022-11-04 14:43) 

山が近くにあって、住宅街があって、商店街があって．．．いいところだなあ。そこに、あの関西の私鉄が走るなんて、一度はそういう体験してみたいです。
普通脚フェチというと足全体と思うのですが、谷崎先生は足首より下でしたか。なんか臭そう(笑)．．．その匂いもまたいいのがフェチの所以なのかしら。
by ナツパパ (2022-11-04 14:45) 

前記事を読み、そんな美味しい生活で何で怒るかな？と思いました。
瘋癲を癇癪と読んでいたのです。老眼認知症日記でも始めましょうかね。
谷崎、纏足を脱いだ足が臭くて好みでしょうね。
by シグ鉄 (2022-11-04 15:51) 

ガハハハッ、思わず笑ってしまいました。
まるで文学に触れたようで。
いや、ここまで来たら是非、下回りはパンプスも良いかと。

by OER3001 (2022-11-04 21:02) 

すばらしい場所ですね。阪急がはしっていて、またたたずまいが素敵。不埒なじいさんで思い出しました。７０代後半？のじいさんの介護シリーズのＡＶで、あこがれ？の美人ＡＶ女優がことごとくやられるシリーズを思い出してしまいました。畜生、じいさん、うらやましい。本編は買っていませんが、お試のみたことがあります。

問題ありましたら削除おねがいします。
by ひでほ (2022-11-04 21:29) 

西宮～芦屋～東灘の戦前からの木造住宅は
ほとんどが阪神大震災で倒壊しました。
倚松庵は震災の直前に解体・移築されたらしく
そのおかげで震度７でも倒壊を免れたようです。
近くには灘高がありますね。
by にぶろく (2022-11-04 21:29) 

串カツ屋の佇まいが
なんとも言えず良いですね。
東京じゃ見れないな、こういうの。
by 八犬伝 (2022-11-04 21:31) 

シダー氏の鉄フェチベクトルは、多方面（鉄以外も？）に触手を伸ばしているようですが、私のバヤイはどうかというと、田舎電車の車庫裏とか、国鉄時代の貨物側線とか、今や記憶と先達が残してくれた白黒の世界にのみ生きている過去鉄老人。不埒な別フェチに走るのもありかなの心境でやんす。
by イワキ鯨川 (2022-11-05 00:45) 

■ブレイブスファン様
今回の優勝、Cedar周辺の阪急電車ファンの一部と近鉄電車ファンの間で盛り上がったようです。
■のり様
鍵、卍、そして本作と、純文学とはなんて変態！と思う作品群。「陰翳礼讃」のような日本文化考察、たしかに不思議→変態文豪と言えますね。
■ナツパパ様
書いていただいた要素こそ、このエリアの魅力です。東京に比べて全てがコンパクトに収まって、散歩できるのも楽しいです。
■シグ鉄様
癇癪老人になりがちな歳ですので、認知症になるまでの短い時間は瘋癲暮らし楽しみたいと思っています。
■OER3001様　
相変わらずお恥ずかしい内容で、すみません。
下回りはパンプス〜なるほど、そういうご趣味ですか（笑）
■にぶろく様
たしかに古い長屋門や石垣だけが古く、母屋は洋風な家も多いですね。
■八犬伝様
件の串揚屋は最寄駅から3駅下車、水道筋というレトロな商店街にあり、灘温泉という♨️で一風呂浴びた後に立ち寄ります。
■イワキ鯨川様
過去鉄老人ですか、なんでもいいからモケー作りましょう。
by Cedar (2022-11-05 08:03) 

ブログ再開、まずはおめでとうございます。
自分は気合の入らないブログをぼつぼつやっていますが、再開早々気合が入っていますね！
フーテンってこんな漢字があったのですね。
読めませんでした
by Chitetsu (2022-11-05 10:31) 

■Chitetsu様
ありがとうございます
by Cedar (2022-11-05 16:40) 

しばらくぶりでございます。
2拠点暮らし・・・なんとも羨ましい話であります。あやかりたい。
こう見えても小学校、中学校は阪急沿線暮らし（宝塚線）。
その後、大人の事情がありまして、親父について東京暮らし。
機会あれば舞い戻る・・・という妄想を抱きつつ、老人になる。
今は諦めてる（笑）。
「鬼線路」はどちらの駅ですか。
by 小肥り (2022-11-07 13:27) 

■小肥り様
ありがとうございます。2拠点生活、あと10歳若いうちに始めたかった！と思いますが、少ない余生と少ない資金で楽しめるだけ楽しむつもりです。
鬼線路は阪神尼崎です。
by Cedar (2022-11-07 15:22)